最近の映画の話(2)-グッバイ、レーニン!/Good Bye Lenin!
2008/06/27(金)[編集]
『グッバイ、レーニン! /Good Bye Lenin!(2002)』は、東西冷戦の象徴の「ベルリンの壁」が崩れたとき(1989)、東ベルリンの庶民の身の上におこった出来事を、ユーモアをたっぷりに描いた映画です。でも、決して面白いだけの話ではありません。東ベルリンの住人が、東西ドイツの統一で失ったものは何か、得たものは何か、急激な変化の中で、旧東ドイツへのノスタルジックな思いと、主人公の母への思い、もう少し尊厳を持った形で、統一へのプロセスを歩みたかったという旧東ドイツの住人の切なる願望、そういったものが渾然と一体となってこの映画を作り上げています。Good Bye, Lenin!
主人公のアレックスと母のクリスティアーネと姉は東ドイツの首都ベルリンに暮らしていた。母のクリスティアーネは夫のローベルトが西ドイツへ単独亡命して以来、熱狂的な共産主義者になった。 しかし、子供たちのはよい母親だった。1989年10月7日(東ドイツの建国記念日)の夜にアレックスは家族に内緒で反体制デモに参加、街中で警官ともみあっていた。それを偶然通りがかったクリスティアーネが目撃。強いショックから心臓発作を起こして倒れ、昏睡状態に陥る。
彼女は、8ヶ月後に病院で奇跡的に目を覚ます。しかし、彼女がこん睡状態だった間にベルリンの壁は崩壊、東ドイツから社会主義体制は消え去り、急激で劇的変化が旧東ベルリンには起こり、東西統一も時間の問題となっていた。「もう一度大きなショックを受ければ命の保障は無い」と医師から宣告されたアレックスは、母の命を守ろうと、東ドイツの社会主義体制が何一つ変わっていないかのように彼女に思わせるため、必死の細工と演技を行なう。
だが、変化は急ピッチで進み続ける。西側の車が頻繁に通行し、ビルの壁にも西側文化の象徴「コカ・コーラ」の広告垂れ幕が垂れ下がり、国営配給ストアは西側資本のスーパーマーケットに変貌していく。そして東西統一の現実は着実に近づいてくる。そんなある日、アレックスは子どものころ憧れた宇宙飛行士のジークムント・イェーンと瓜二つのタクシー運転手と知り合う・・・
キャスト
ダニエル・ブリュール(アレックス)
カトリーン・ザース(クリスティアーネ)
マリア・シモン(アリアーネ)
チュルパン・ハマートヴァ(ララ)
フロリアン・ルーカス
監督:ヴォルフガング・ベッカー
音楽:ヤン・ティルセン
脚本:ヴォルフガング・ベッカー 、ベルント・リヒテンベルグ
この映画がきっかけで「オスタルギー(Ostalgie)」と呼ばれる旧東ドイツを懐かしむ風潮が生まれました。「東」をあらわす「オスト←Osten(m)」と「郷愁」をあらわす「ノスタルギー←Nostalgie(f)」の合成語です。
旧東ドイツの生活が続いているかのように母に思わせるため奮闘するアレックス。旧東ドイツの食べ物を集めて回りますが、周りはすでに西側のものばかり、母は「シュプレーヴァルト・グルケン(シュプレーヴァルト地方)特産のピクルスが食べたい」というが、スーパーのピクルスはオランダ産のものにすべて取って代わられている・・・。
「ピクルス」をあんなふうに、指でつまんで丸かじりするとは知りませんでしたが、日本人にとっての漬物と同じ感覚なのでしょうね。漬物も地方によってはお茶受けに出すそうですから。
Ostalgie
「オスタルギー(Ostalgie)」は、日本で昭和時代を懐かしむ感じに、さらに何か複雑なものが加わったようなものだと思いますが、なかなか、感情の奥までは、わたしたちにはわからないと思います。でも、この映画は切ない。アレックスのユーモラスな奮闘ぶりには、笑えますが、特に映画マニアの友人と偽のニュース番組を作って母に見せるシーンとか、母もおそらく周囲の変化がわかっているのではないかなと思わせるところもありました。でもアレックスの心遣いを無にしないために、だまされたふりをしているような気もしました。一見の価値のある映画のひとつ。
↓「追記」に、感想を追加してみました。
その後、もう少し調べてみましたが、旧東ドイツ出身の人は、この映画があまり好きではないのかもしれません。ちゃかされている感じがするのでしょうか?
第三者的にみれば、ユーモラスに描いているのは、観客に心理的負担をあまりかけないようにするためではないかと思います。このテーマをシリアスにやれば、かなり重くて暗い、ちょっと気軽には見れないよなぁという映画になってしまうのではないかと思います。
ちなみに、わたしはこの映画のテーマは、「郷愁」ではなく、「尊厳」だと思いました。
この映画を語るとき、「郷愁」がクローズアップされてしまってますが、本来は、「郷愁」は「おまけ」的な要素だったような気がします。
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コメント
この記事へのコメント
そこがもしかしたらチャームポイントかも
>らもは、どこかでやっぱり知的だと思われたい!(結果、具体的に自分の業績みたいなことを書いてしまう!)それは、あるでしょうね(らもの本引っ張り出して読み返してみました)。
みうらじゅんのように「悟り」を開いてはない感じですね。
ただ、「悟り」きれている人は本当に少数だと思うのですが…。
あまり「悟り」きれている人は弱みがないので親しみを感じにくいかもしれません。欠点や欲があるから好かれるということもよくあると思います。
P.S. Noraさんの文章は上手だと思いますよ。ブログを読んでもそう思いますよ!!
2008/07/13(日) 00:13 | URL | Luna meer | 編集
みうらじゅん
私は書くのが(話すのも)下手なので、言いたいことが伝わらないようです・・・私も、みうらじゅんも勿論知的だと思いますよ。何というか・・・ みうらじゅんは、知的だと思われなくてもいい!感じがして、らもは、どこかでやっぱり知的だと思われたい!(結果、具体的に自分の業績みたいなことを書いてしまう!)部分が書いてあるものから感じられるんです。
・・・て、言いたいこと、伝わりましたたでしょうか? やっぱりダメか・・・? (^_^;)
2008/07/12(土) 03:09 | URL | Nora | 編集
Noraさん、ぜひ聞いてみてください
コメントのお返事遅くなりました。ごめんなさいデス。みうらじゅんも知的だと思いますが…
2008/07/10(木) 07:54 | URL | Luna meer | 編集
スピ−カ−が戻って来たら、是非聞いてみますよ!! らもも大好きですから! 好きなんですけど、知的な部分を出さずにいられないようで・・・ でも、それを除いてしまうと、みうらじゅんになっちゃいそうですね。らもの本はそれなりに好きだったんですけど。残念・・・
2008/07/09(水) 04:28 | URL | Nora | 編集
らもの落語、意外に・・・
>PCのスピ−カ−を取り外して、リビングのオ−ディオのために使っているもので、PCは現在音無し!ああ、そういう意味だったんですか!!
音なしでは、落語はつまりませんねぇ。らもの落語、意外に(?)面白い^m^
意外というのは失礼かもしれないけど…。「40にしてすでにやきがまわっています」って、「そうだねぇ」って返事をしたくなります。
スピーカーが復旧したら聞いてみてくださいね。
2008/07/08(火) 01:52 | URL | Luna meer | 編集
アハハハ・・・ NHKオタクですから。番組録画予約のため、NHKのサイトもよく見ていますからねぇ・・・ (^_^;)いえいえ! Tutubeの問題ではなくて、自宅のPCのスピ−カ−を取り外して、リビングのオ−ディオのために使っているもので、PCは現在音無し! なんです。
2008/07/07(月) 19:07 | URL | Nora | 編集
Noraさん、なぜでしょう?
なぜ音声が聞こえないのでしょう? わたしは聞こえるのですが…YouTubeが混み合っているとか、何かあるのかもしれません。また、違う機会に試してみてください。
マナ・カナの連ドラ出演知りませんでした。いつものことながら情報早いですね。
『ちりとてちん』、家族の話は、いまいち要領を得ないのですが、また観てみます(^・^)
2008/07/04(金) 07:43 | URL | Luna meer | 編集
Luna meerさんのツボを捕らえるかどうか自信がありませんが、『ちりとてちん』はオススメします。(^。^) 落語が好きなら勿論、そんなに好きでない方でも楽しめると思いますよ。多分、帰国したらDVDを買うと思います。そういえば、マナ・カナちゃんたち、次の朝の連ドラに決まったんですね。
今ですね、DVDプレ−ヤ−が壊れておりまして、リビングでCDを聞くためにPC用のスピ−カ−を持って行って取り付けているんです。折角貼っていただいたんですが、PCで音声が聞けません・・・ (;_;)
2008/07/04(金) 03:45 | URL | Nora | 編集
Noraさん、お返事遅くなってm(__)m↓「おまけ」追加しました
クドカン(宮藤官九郎)がお好きなんですね?!↓木更津キャッツアイ1話
http://jp.youtube.com/watch?v=4K1K3D43gDo&feature=PlayList&p=FC15931193C8FE99&index=0
クドカンの「Tiger & Doragon」も面白かったデス。もろ「落語」ねたのドラマだから、Tamaさんもお好きでは?「俺の話を聞け!5分だけでいいから〜」って曲もよかったです!!
『ちりとてちん』はまったく見てないので、落語家の話の朝ドラとしか知りません。(その後家族に聞いてみたところ、「面白かったというか、主人公がかなりマイナス思考」と言ってました。そうなんですか?)
NHKの朝ドラは、『ふたりっこ』とか『あぐり』はほとんど全部見て、『ちゅらさん』はダイジェストでみたけど、後は時間が合わないのでほとんど見てません。
最近では、『芋たこ南京』が、面白いと聞いたことがあったのですが…藤山直美主演だから当然といえば当然ですよね(^・^)
おまけ
↓らも 落語
http://jp.youtube.com/watch?v=DhcuPsw42vA&feature=related
2008/07/01(火) 22:41 | URL | Luna meer | 編集
いやいや・・・ 政治的な背景は特別問題ではないようで、Tamaがユ−モアだと感じるツボをとらえなかっただけのようです。よく分かりませんが、色々とうるさい男なんです。(-_-;) 人情ドラマの中にも好き嫌いがあるようですが、私にはそのポイントが分かりません。TamaとTamaの上司が(主に欧州の)映画談義を始めると止まらなくなるのですが、マイナ−過ぎて私には?????です。
そんなTamaですが、『ちりとてちん』は『木更津キャッツアイ(視聴率の低かった最初のやつ)』以来、ツボを捕らえたドラマみたいです。落語と脚本がツボだったんでしょうかね。今、『ちりとてちん』のDVDを欲しがっています・・・
2008/06/30(月) 20:04 | URL | Nora | 編集
Noraさんへ
Tamaさんが、なぜこの映画が好きではないのかな?と考えてみました。「追記」に入れた追加の感想でも書きましたが、Tamaさんの周囲に、この映画が好きじゃない方がいらっしゃるんじゃないかなと思いました。その方の心情が理解できるから、Tamaさんはこの映画が好きではないのでは?
2008/06/30(月) 05:57 | URL | Luna meer | 編集
Noraさんは?
Tamaさんの好みではないのですか?Tamaさんは、人情ドラマはあまり好きではないんですか?
何が、気に入っていないのか、伺ってみたいような気がしますが、
好みは十人十色ってことですね(^・^)
2008/06/29(日) 06:44 | URL | Luna meer | 編集
Luna meerさんの『グッパイ、レ−ニン!』の記事をチラっと見て、昨夜、「Tamaもいないことだし、久々に見よう!」と思っていたら、思ったよりTamaの帰宅が早くて見ず終いでした。Tamaはこの映画、あまり好みではないらしい・・・ (-_-;)2008/06/28(土) 18:05 | URL | Nora | 編集
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